冬の寒さを乗り越える外壁づくり3つのポイント

冬に発生する凍害とは?

“凍害”という言葉をあまり耳にされたことのない方もおられるかもしれませんので、ご説明させていただきます。

住宅でよくみられる外壁材は窯業系サイディングです。この窯業系サイディングはセメント材と木質材料を圧縮し、壁材にしたものです。その上に塗装をしていくのですが、外壁塗装には、大きな3つの目的があります。それは、家を保護し、美しく保ち、目的と要望に応じた特殊機能を付加することです。

外壁は塗料に守られており、それが劣化しない限りは雨風や雪から家を守ってくれるのですが、どうしても弱い部分があります。それはコーキング(外壁の繋ぎ目)目地廻りや釘廻り、土台水切り廻り等です。劣化がすすむと隙間ができ、そこから雨水が侵入してしまいます。

その侵入した雨水は冬の厳しい寒さで凍り、膨張を繰り返します。するとそのサイディング表層(外壁の表面)を浮き上がらせてしまうのです。何が起こるかというと、写真のように外壁を裏側から壊してしまうのです。
これを凍害とよびます。

写真の壁はかなり凍害が進んだ状態で、もう塗装作業では元には戻せません。ですので、その部分の張替え工事になってしまい、工事費用は高額になってきます。

脅かすような書き方になってしまいますが、これを読んでくださっている方の外壁も凍害が起こっているかもしれません。

冬の寒さを乗り越える外壁づくりと寒さ対策の3つのポイント

1. 冬の前後は必ず外壁をチェック

凍害は被害が小さいうちは補修できるのですが、被害が大きくなってしまうと外壁の張替えが必要になり工事費用は高額になってしまいます。それを防ぐ有効な手段は、必ず冬の前後に外壁をチェックすることです。

コーキング(外壁の繋ぎ目)目地廻りや釘廻り、土台水切り廻り等を目視で大丈夫ですのでよく確認してみてください。

このような隙間が空いていたら凍害が出てしまうサインです。

この隙間から雨水が侵入し、じわじわと外壁の内側に届けば、カビが発生します。又、雨水の侵入で木材が水分を含みシロアリの発生原因にもなります。そして外壁の表面は凍害でボロボロになっていくのです。雨漏り以上の被害が出てしまう前に、隙間を見つけたら早めに専門家にご相談ください。

ちなみに、コーキングの寿命は約7~8年です。新築の場合は築年数、外壁塗装をされた方はその年数が7~8年経っていれば、特に注意深くチェックする事をオススメします。

一番有効な手段は凍害にならない外壁を使うこと、もしくは凍害にならない外壁に張替える事です。そこで私がオススメする外壁材は樹脂サイディングです。

樹脂サイディング

樹脂サイディングは、過酷な気候条件の国カナダで主流に使われている外壁材です。その歴史は50年以上と長く耐久性・経済性にも優れています。

メリット

デメリット

樹脂サイディングは、カナダで50年以上の歴史を持っていても、日本ではまだあまり認知されていません。しかし、凍害に強く耐久性も高いことから寒冷地での取り扱いが徐々に増えてきました。

凍害が起こってしまった外壁でも、防水シートを貼って、その上から樹脂サイディングを張る事が出来ますので、大掛かりな工事にならずにすみます。外壁の塗り替え時期がきた、凍害が発生した場合は一度ご相談いただければ幸いです。

最後に凍害についてお伝えしたいことですが、是非!下記内容にお気をつけいただきたいと思います。

気を付けていただきたい事

  • × 凍害があるのに、何もしない
  • × 凍害がある場所に上からそのまま塗装をしてしまう
    ※塗装屋であれば凍害部位は一部張替えをして、その上から塗装をします
  • × 凍害のある場所をセメントなどで埋める

上記のような対応をしてしまうと被害が拡大してしまったり、セメント部分が剥がれたりするのでオススメしません。
どうしたら良いか分からない場合は、専門家にご相談ください

3. 二重サッシで寒さ対策

家の中の寒さの原因は、お家の中の熱が屋根や壁、床などから少しずつ放出されるからなのです。

実は、窓や開口部分からは全体の約60%もの熱が逃げているのですが、この窓からの熱の放出を少しで抑えることが出来れば、冬でも暖かく過ごす事ができます。

そこでオススメしているものが二重サッシです

二重サッシ

二重サッシは言葉のとおり、「1つの窓にサッシが2つ取り付けられている窓のこと」を指します。外側の窓を「外窓」、内側の窓を「内窓」と呼びます。内窓を取り付けることにより、窓は二重になり、断熱性が格段に向上します。

メリット

工事期間は短く、寒さ対策や光熱費対策をお考えであればオススメしています。窓の大きさにもよりますが、2万~2万5,000円ほどで施工が出来ますのでお気軽にご相談ください。

新潟の冬の寒さを快適に過ごすためのポイントでご紹介しましたが、同じような気候の地域の方にもオススメの方法ですので、是非、ご参考にしてください。

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