訪問販売によるリフォーム工事・点検商法の相談は、今も多く寄せられています
すべての訪問販売業者が悪いわけではありません。しかし、独立行政法人 国民生活センターが公表している情報では、訪問販売によるリフォーム工事や点検商法に関する相談が、現在も多く寄せられています。
下記は、画像資料の内容に合わせて相談件数を整理したものです。2025年度は途中集計の数値で、前年同期の件数も併記しています。
訪問販売によるリフォーム工事※
| 年度 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|
| 相談件数 | 10,099 | 11,878 | 9,820 | 679 (前年同期 1,313) |
点検商法
| 年度 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|
| 相談件数 | 8,166 | 12,550 | 19,215 | 2,002 (前年同期 1,771) |
参照: 独立行政法人 国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」
相談件数は2025年5月31日現在(消費生活センター等からの経由相談は含まれていません)。
※ここでは、「屋根工事」「壁工事」「増改築工事」「塗装工事」「内装工事」の合計を「リフォーム工事」としています。
点検商法とは、「無料で点検します」などと言って突然訪問し、十分な確認をしないまま「今すぐ修理しないと危険」などと不安をあおり、契約を迫るような手口です。
外壁塗装以外のトラブルにつながる危険性もあります
外壁塗装やリフォーム業者を装って訪問し、住まいの状況を確認しようとしたり、個人情報を聞き出そうとするケースにも注意が必要です。
金銭的な被害だけでなく、不安や精神的な負担につながる可能性もあります。状況によっては、大きなトラブルに発展するおそれもあるため、安易な対応は避けましょう。
訪問販売業者に関わるトラブルは、大きな問題に発展する可能性があることを覚えておき、安易に業者を家の中に入れたり、個人情報を伝えたりしないよう十分に注意してください。
突然の訪問を受けたときの注意点
- その場で契約せず、家族や信頼できる人に相談する
- 「今すぐ工事しないと危険」と急かされても、すぐに判断しない
- 名刺・会社名・連絡先を確認し、不審な場合は対応しない
- 業者を安易に家の中へ入れない
- 個人情報や家族構成、留守の時間帯などを伝えない
なぜ外壁塗装の訪問販売は
トラブルが多いのか?
訪問販売によるトラブルが多い理由として、主に次の4つが考えられます。 外壁塗装は金額・工事内容・施工品質の判断が難しいため、契約前に冷静に確認することが大切です。
外壁塗装が高額な工事であるため
外壁塗装は家全体に関わる工事のため、どうしても費用が大きくなりやすい工事です。そのため、見積金額に余分な費用が上乗せされていても、一般のお客様がすぐに気づくことは簡単ではありません。
「家全体の塗装だから、このくらいかかるのかもしれない」と思ってしまう心理につけ込み、相場より大きく高い金額を提示されるケースもあります。
専門的な知識が必要なため
外壁塗装の工程や見積内容を正しく理解するには、塗料の種類、下地処理、劣化状況、施工面積などの専門的な知識が必要です。
詳しい知識を持っているお客様は多くないため、業者の説明をそのまま信じて契約してしまうケースもあります。一部の業者はその専門性を利用し、本来必要性の低い工事をすすめたり、費用や面積を大きく見せた見積りを提示することがあります。
手抜き工事をされてもすぐには分かりにくいため
外壁塗装は、施工直後の見た目だけでは工事の良し悪しを判断しにくい場合があります。たとえ下地処理や塗装工程が不十分でも、塗りたてはきれいに見えることがあるためです。
数年後に塗膜の剥がれや膨れなどが発生して、そこで初めて施工不良が疑われることもあります。工事後の保証内容や定期点検の有無を、契約前に確認しておくことが大切です。
営業担当者の知識や説明が不足している場合があるため
訪問販売の中には、契約を取ることを優先し、建物の状態や塗装に関する十分な知識を持たないまま説明しているケースもあります。
知識や説明が不足していると、建物に合わない塗料や、劣化状況に適していない工事をすすめられ、後々のトラブルにつながる可能性があります。
また、工事を下請け業者に依頼していること自体は悪いことではありませんが、元請け業者の管理体制や説明責任が不十分な場合、施工品質やアフター対応に差が出ることがあります。
不安を感じたら、その場で契約しないことが大切です
外壁塗装は大切な住まいに関わる工事です。突然の訪問で不安をあおられたり、契約を急かされたりした場合は、その場で判断せず、家族や信頼できる業者に相談してから検討しましょう。
悪質な訪問販売でよく見られる営業トーク
外壁塗装の訪問販売では、強い言葉で不安をあおったり、大幅な値引きや特別な塗料を強調して契約を急がせるケースがあります。 トラブルを避けるためにも、よくある営業トークを知っておきましょう。
大幅な値引きをする
値引き自体は珍しいことではありません。しかし、見積内容をほとんど変えずに、突然数十万円単位の大幅値引きを提示してくる場合は注意が必要です。
適正な見積りであれば、工事内容・塗料・施工面積・保証内容などに基づいて金額が決まります。そのため、内容を変えずに大きく金額だけを下げることは簡単ではありません。
大幅な値引きをしても利益が出る場合、最初から相場より高めの金額を提示していたり、見えない部分で工程を省くなどのリスクが考えられます。
また、使用する塗料を必要以上に薄めたり、塗り回数を減らしたりすると、短期間で剥がれや劣化につながるおそれがあります。
確認したいポイント
- 値引き前と値引き後で、工事内容が変わっていないか
- 使用する塗料名・塗り回数・施工面積が明記されているか
- 「今日契約すれば安くする」と契約を急がされていないか
「30年以上持つオリジナル塗料」を勧めてくる
「30年以上持つオリジナル塗料です」「他社にはない特別な塗料です」など、極端に長い耐用年数を強調してくる場合は、慎重に確認することが大切です。
オリジナル塗料という言葉だけでは、実際の性能や耐久性を判断することはできません。塗料メーカー名、正式な製品名、仕様書、試験データ、保証内容などを確認する必要があります。
実際には、既存の塗料に独自の名前を付けて販売していたり、耐用年数を分かりにくく説明しているケースもあります。説明だけを信じて契約するのではなく、必ず資料で確認しましょう。
「長持ちする」と言われた場合でも、建物の状態・下地処理・施工環境・メンテナンス状況によって、実際の耐久性は変わります。
確認したいポイント
- 塗料メーカー名と正式な製品名を確認する
- 耐用年数の根拠となる資料や仕様書を見せてもらう
- 保証年数・保証対象・保証対象外の条件を確認する
- 「今だけ」「当社だけ」と強調されても、その場で契約しない
外壁塗装の訪問販売が来たときは、
その場で判断しないことが大切です
突然の訪問で不安をあおられたり、「今だけ」「今日だけ」と契約を急かされたりした場合でも、すぐに契約する必要はありません。 大切なお住まいを守るために、落ち着いて対応しましょう。
その場で契約せず、はっきり断る
訪問販売では、キャンペーンや値引きを強調したり、不安をあおるような説明で、その場で契約を迫られる場合があります。 そのため、まずは即決しないことが重要です。
営業担当者が明るく誠実そうに見えると、「いい人そうだから信用してもよいかもしれない」「値引きまでしてくれたのに断りにくい」と感じることもあるかもしれません。 しかし、ご自身と大切なお住まいを守るためには、必要のない契約はきっぱり断ることが大切です。
断る際に曖昧な表現をしてしまうと、さらに説明を続けられたり、契約をすすめられたりすることがあります。 「今日は契約しません」「家族と相談してから決めます」「他の業者にも確認します」など、契約する意思がないことを落ち着いて伝えましょう。
断るときの伝え方
- 「今日は契約しません」とはっきり伝える
- 「家族と相談してから判断します」と伝える
- 「他社にも見積りを取ってから決めます」と伝える
- しつこい場合は、無理に会話を続けず対応を終える
飛び込み業者を屋根に上らせない
突然訪問してきた業者が「屋根が浮いているのが見えた」「無料で点検します」などと言って、屋根に上がろうとするケースがあります。 このような場合も、すぐに点検をお願いしないよう注意が必要です。
十分な説明がないまま点検を行い、「今すぐ修理しないと危険」などと不安をあおって契約を迫る手口は、点検商法と呼ばれるトラブルにつながることがあります。
また、まれに点検中の作業内容や確認箇所が不明確なまま、屋根材の破損や劣化を強調されるケースもあります。 後から状況を確認しにくくなるため、突然訪問してきた業者には、安易に屋根へ上がらせないことが大切です。
屋根の状態が気になる場合は、その場で依頼せず、信頼できる会社や複数の業者に相談してから点検を依頼しましょう。
屋根点検をすすめられたときの注意点
- 突然来た業者をすぐに屋根へ上らせない
- 点検前に会社名・担当者名・連絡先を確認する
- 写真や説明だけで即決せず、別の業者にも確認する
- 不安をあおられても、その場で契約しない
不安なときは、一度持ち帰って確認しましょう
外壁塗装・屋根工事は大切な住まいに関わる工事です。 突然の訪問で判断せず、家族や信頼できる専門店に相談してから検討することをおすすめします。
もし悪質な訪問販売と契約してしまったら
訪問販売で契約してしまった場合でも、クーリングオフできる可能性があります。
「訪問販売との契約を取り消したい」「契約したあとに不安になった」という場合は、クーリングオフ制度を利用できることがあります。
クーリングオフとは、訪問販売などで契約した場合に、法律で定められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、契約の解除ができる制度です。
たとえ工事が始まっていたとしても、条件に当てはまる場合はクーリングオフできる可能性があります。また、クーリングオフが適用される場合、原状回復に必要な費用を消費者が負担しなくてよいとされています。
ただし、契約内容や書面の状況によって対応が変わる場合があります。不安な場合は、契約書類を手元に用意し、消費生活センターなどの相談窓口へ早めに相談しましょう。
第三者機関に相談する
自分だけで判断が難しいときは、早めに相談しましょう。
「クーリングオフが適用されるかわからない」「業者と連絡が取れない」「契約内容に不安がある」など、ご自身でどのように対応すればよいか迷う場合は、第三者機関に相談するのもひとつの方法です。
契約書や見積書、業者とのやり取りの記録などが残っている場合は、手元に用意したうえで相談すると、状況を説明しやすくなります。
不安な気持ちもあるかと思いますが、一人で抱え込まず、上記のような第三者機関だけでなく、ご家族やご友人など身近な方にも相談してみることをおすすめします。
業者を選ぶときの大事なポイント
外壁塗装・屋根塗装は、金額だけでなく、調査内容・見積書の分かりやすさ・保証・アフターフォローまで確認することが大切です。 契約前に複数のポイントを比較し、納得できる業者を選びましょう。
相見積もりをする
複数社から見積もりを取ることを相見積もりと言います。塗装工事は定価が決まっているわけではなく、業者によって工程や使用する塗料、施工面積の出し方なども異なるため、複数の見積書を比較することが大切です。
見積書を比較することで、本当に必要な工事内容や、ご自身の家のおおよその施工面積、塗装にかかる費用感を把握しやすくなります。
他社よりも明らかに費用が高い、または面積が大きく出されている場合は、なぜその金額になるのか説明を受けたうえで、慎重に判断しましょう。
また、相見積もりをすることで業者の対応も比較できます。現地調査でどのくらい丁寧に確認してくれるか、返信や連絡の早さに問題がないか、人柄やコミュニケーションの取りやすさも見ておくと安心です。
比較するときの確認ポイント
- 工事内容・塗料名・塗り回数が書かれているか
- 施工面積や数量が極端に大きくないか
- 現地調査が丁寧だったか
- 質問への回答が分かりやすいか
ホームページを確認する
気になる業者を見つけたときは、まずホームページを確認してみましょう。会社の所在地、創業年数、資格の有無、施工実績などは、業者を選ぶ際の判断材料になります。
会社所在地や連絡先が分かりにくい、施工実績がほとんど掲載されていない、会社の情報が極端に少ない場合は、慎重に確認した方が安心です。
資格の有無や施工実績は、技術力やこれまでの経験を知るための参考になります。さらに詳しく知りたい場合は、スタッフ紹介ページや代表者のあいさつ、会社の考え方なども確認してみましょう。
ホームページで見るポイント
- 会社所在地・電話番号・代表者名が確認できるか
- 施工実績や事例が掲載されているか
- 資格・許可・加盟団体などの情報があるか
- スタッフや代表者の顔が見える情報があるか
保証・アフターフォローを確認する
施工後に万が一、不具合が見つかったときに備えて、保証やアフターフォローの内容は必ず確認しておきましょう。
保証とアフターフォローの内容は業者によって異なります。例えば、不具合が起きた際の対応、保証期間、保証対象の範囲、塗装後の定期点検の有無などを確認することが大切です。
特に重要なのは、保証期間や対象箇所、どのような不具合に対応してもらえるのかを、口頭だけでなく書面で確認することです。口約束のままだと、後から「言った・言わない」のトラブルにつながる場合があります。
保証で確認したいこと
- 保証期間は何年か
- 保証対象になる箇所・ならない箇所はどこか
- 保証対象外になる条件があるか
- 定期点検や工事後の相談体制があるか
説明がわかりやすいか確認する
現地調査や見積書の説明時に、丁寧でわかりやすい説明をしてくれるかも重要なチェックポイントです。
塗装工事は専門的な知識が必要となるため、お客様の立場に立って、専門用語をできるだけわかりやすく説明してくれる業者であれば、安心して相談しやすくなります。
質問をしたときに明確な返答をしてもらえるかも確認しておきましょう。質問に対して曖昧に答えたり、説明を避けたりする場合は、契約前に慎重に判断することが大切です。
その場で回答できない内容があっても、確認したうえで改めて返答してくれる業者であれば、誠実な対応かどうかを見極める材料になります。
説明で確認したいこと
- 専門用語をわかりやすく説明してくれるか
- 見積りの内訳を丁寧に説明してくれるか
- 質問に対して誠実に答えてくれるか
- 不安をあおって契約を急がせていないか
訪問販売はその場で契約せず、冷静に確認しましょう
すべての訪問販売が悪いわけではありません。しかし、外壁塗装の訪問販売では、契約トラブルや高額な請求、工事内容に関する不安が生じるケースがあります。
また、近年はリフォーム業者などを装って訪問する不審なケースも報道されており、安易に敷地内や家の中へ入れたり、家族構成や留守の時間帯などの個人情報を伝えたりしないよう注意が必要です。
「今すぐ修理しないと危険」と不安をあおられたり、大幅な値引きや根拠が不明確なオリジナル塗料を強くすすめられたりした場合は、その場で契約せず、一度持ち帰って確認しましょう。
